抜け穴、骨抜き、審議抜き

「おれたちは結局、都合のよい消耗品にすぎなかった。人間じゃなかったんだ」
この言葉がズシリと胸に響く。
08年に吹き荒れた「派遣切り」とそれに抗してたたかった労働者たちのことをどうしても振り返っておきたくて、「時の行路」(田島一著、しんぶん赤旗で2010年9月から翌11年6月まで連載)を読んだ。冒頭の言葉は、作品に出てくるセリフだ。

今月7日、「派遣村を忘れたのか」と高橋ちづ子衆院議員が派遣法案反対の討論に立った。しかし、翌日にはあっという間に、民自公3党により衆院本会議で可決されてしまった。今回の派遣法案、抜け穴だらけの政府案をさらに骨抜きにするもので、しかも審議抜きの暴走。そこに、悔し涙を流した派遣労働者たちの思いにこたえる姿勢はない。

小説では、ある者は裁判に訴え、ある者はたたかいなかばに去る。労働組合とは何か、会社とは何かを問いながら。読むものに強烈に訴えてくるのは、この仕組みはなぜつくられたのか、誰のためにつくられたのか、ということ。
つつましやかに暮らすという小さな幸せすら奪われた派遣労働者たち。それを支える連帯の輪が力強い。

貧困と格差を生み出した大本に、労働者派遣法などの「使い捨て」雇用がある。そこにメスを入れない限り、人間らしく働くことはできない。
「正社員と同じ仕事をさせて、半分以下の賃金で働かせることができる仕組みをつくり、誰が泣かされてきたのか。自分らのように生きていけない者を生み出し、こうした事態が生じた根源にさかのぼって、『労働者派遣法』の是非が検討されない限り、問題解決にならないと思える」。小説のなかで、このように主人公が訴えている。抜け穴、骨抜きの派遣法案が参院に送られたいま、この訴えにこたえるたたかいをすすめなければならないと思う。

「人は自らの生きる時代を選ぶことはできない。いまという時に遭遇した行路を、困難があっても、避けずに歩いていくしかないのだろう」と小説は最後に訴えている。
困難があっても、しっかり前を向いて歩いていく。その生き方を貫くための努力を私もしていきたい。


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柴岡ゆうま
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埼玉11区から国政へ

北部地区委員長・青年学生部長

柴岡 ゆうま

1984年生まれ、33歳。深谷市内の小・中学校、県立熊谷農業高校、帯広畜産大学を卒業。日本共産党埼玉北部地区委員長、党中央委員。家族は妻と一男二女、深谷市在住、趣味は読書とカーリング。若者の声を、子育て世代の声を国政に届けるために全力で奮闘中[生い立ち][旧ゆうまブログ]。 ※お問い合わせは、日本共産党埼玉北部地区委員会[寄居町桜沢3315-2、電話048-581-0113、地図]へお願いします。リンク用バナーリンク用バナーリンク用バナーです。ご活用ください

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